千葉 2-2 水戸
水戸は37試合を終えて14勝9分14敗の勝点51で10位という位置にいる。プレーオフはないため、千葉と同様に昇格も降格もないというこの時期のモチベーションを維持するのは難しい状況だが、来季に繋げるため、そして個人のアピールのためにも大切な試合が続く。
一方の千葉は8試合負けなしを継続中。残り5試合も無敗のままシーズンを終え来季に繋げるというモチベーションはあるはずだ。残り5試合のうち3試合はフクアリなのでホームではしっかり勝点3を積み上げたい。
千葉のスタメンは前節と変わらず。GKに章太。3バックは右から岡野、新井、大輔。ボランチに熊谷と田口。右WBに福満、左に末吉。インサイドハーフに船山と見木。ワントップにソロモン。今日もミンギュは怪我でいないが、この時期に不動のレギュラーがスタメンを外れると来季いないんじゃないかと不安になるな。ただの休養であってくれ。
試合は立ち上がり、テンポよくパスを繋ぐ両チーム。4分、水戸の右サイドからのクロスに中で中山にフリーで合わされるがミート出来ず救われる。10分、末吉のクロスにソロモンが頭で合わせるが枠に持って行けず。11分、田口のミドルは大きく枠外。
15分、連続した船山のCKの2本目はエリア外の田口へ。田口のダイレクトボレーは枠へ飛ぶがGKがセーブ。17分、船山のCKは田口の頭に合うが枠外。33分、田口のFKをファーで大輔が折り返し、船山が決定機を迎えるがボレーで合わせ切れず。
34分、田口のFKを大輔が落とし岡野がボレーで合わせるが枠外。38分、田口のサイドチェンジから福満がグラウンダーでクロス。戻って来たボールを再び福満がファーへクロス。これに飛び込んで来た見木が頭で叩き込み先制。福満のクロスも素晴らしかったし、見木もよくソロモンの裏に入って来た。
千葉は前半だけでシュート10本、枠内5本とチャンスを作り、1点リードで折り返す理想の展開。水戸も小気味よくテンポのあるサッカーでバイタルまで入って来たし、見ごたえのある前半だった。千葉としては後半も自慢の守備でシャットアウトしてきっちり勝ち切りたい。
千葉らしからぬ取りこぼし
53分に2枚代えで両サイドを交代。末吉OUT、米倉IN。福満OUT、安田IN。そして直後の54分、相手スローインを奪いソロモンから安田へ。安田が溜めて抜ききらずに左足クロス。これをソロモンが頭で決めて追加点。クロスをソロモンが頭で決めるという見たかった形が出た。いつも言うが安田のクロスは素晴らしい。チームが好調な中でゴールのなかったソロモンにゴールが生まれたのも大きいね。
ここまでは良かった。ここまでは。強いチームのサッカーになってきたな、と思って頼もしく見ていた。今の千葉なら2点あれば逃げ切れるだろうと。60分、左サイドで受けた大輔から見木、熊谷、ソロモンとダイレクトで繋ぎ、最後は船山が打つがGKがセーブ。こういうダイレクトプレイも出るようになってきた。
66分、水戸のいいポストプレイから松崎に左足を振り抜かれるがポストを逸れる。71分、最後尾でタビナス・ジェファーソンがコントロールにもたつく所を見木が奪いGKと1対1の決定機。しかしこれを決め切れず。こいうのを外すと流れが相手に行くのがサッカーの怖い所。
74分、水戸の波状攻撃からクロスを入れられ中山に頭で合わされ1点を返される。一度DFの背後に入り視界から消えてから、クロスが入るタイミングで相手の前に入るというFWのお手本のような中山の動き。試合開始早々にもあったね。これは大輔の対応がどうこうよりクロスの出し手にもう少しプレスをかけたかった。
76分、安田のクロスに船山が頭で合わせるが枠外。78分、船山OUT、壱晟IN。見木OUT、サウダーニャIN。熊谷をアンカーにした3ボランチで逃げ切りを図る。水戸に押し込まれる中、84分、田口OUT、矢田IN。ATを含め残り10分試合を締められるか。
時計は94分を回りラストワンプレイかという水戸のCK。中でのルーズボールをクリアしきれず新里に蹴り込まれ痛恨の同点。96分、前がかりになった千葉は水戸のカウンターをくらい、水戸の選手7人に対し千葉は3人というピンチを迎えるがなんとかシュートをブロックした所で試合終了。
千葉は第29節で磐田に負けて以来8試合ぶりの複数失点。2点のリードを守れず追いつかれるという最近の千葉らしからぬ試合展開になってしまった。追加点を奪い突き放すチャンスもあっただけに、千葉としては勝点2を取りこぼしたという印象だ。
監督・選手コメント
尹晶煥監督
―― 「試合運びの未熟さ」は、今日はどのような形で出てしまった?
まず、相手が負けている状況であることを考えれば、なるべくクロスを上げさせてはいけなかったと思います。逆にカウンターからのチャンスもあったので、追加点を奪えなかったことでこういう結果につながりました。
最初の失点は中の対応というよりはクロスの出し手にもっとプレスをかけたかったね。カウンターでの見木の決定機も決めていれば流れは大きく変わったはず。逃げ切りを狙う中で田口から矢田の交代は適切だったのか。チャンスも多かっただけに2-0でリードからのドローはもったいなかった。
それでもこれで9試合負けなしを継続。次節で千葉より一つ上にいる琉球をしっかり叩いて10試合負けなしにしよう。