2020シーズンの戦力検証
2020シーズンの開幕を控え沖縄でキャンプ中の我らがジェフ千葉。契約の更新や放出、加入など、おそらく選手補強は一段落したと思うので、2020シーズンのジェフ千葉の戦力が2019シーズンからどう変化したのか印象を書いていきます。
GK
GKはチョルファンを栃木に期限付き移籍で放出し、愛媛に期限付き移籍していた岡本を完全移籍で放出、川崎から新井章太を完全移籍で獲得。更新した優也、鈴木、相澤との4人体制になった。チョルファンは千葉在籍4シーズンで9試合しか出場がなかったので放出しても戦力としてマイナスにはならない。GKは戦力アップと言っていいだろう。
しかし章太もJ1の強豪川崎に所属していたことや、ルヴァンカップ決勝のMVPなどが注目されるが、23試合に出場した2015シーズン以外はサブという立場で試合の出場数はここ4シーズンでも5、3、3、7と少ない。
2019シーズンは9月頃からスタメンを勝ち取ったが、J2の千葉に来たからといってポジションが安泰なわけではない。優也もそう簡単にはポジションを譲るつもりはないだろう。枠が1つしかない激戦区。誰が守護神としてリーグ開幕戦のピッチに立つのか楽しみだ。
CB
CBはエベルトをポーランドのクラブに期限付き移籍で放出、ワトフォードから期限付き移籍で加入していたベラスケスが満了で返却と2人が抜け、柏からの期限付き移籍だった増嶋を完全移籍で獲得、名古屋からの期限付き移籍だった新井を完全移籍で獲得、大分に期限付き移籍していた岡野が復帰、ミンギュが漢陽大学から加入、特別指定だった本村が流通経済大学から加入、そして鳥海が更新と合わせて6人という編成になった。
数的にはかなり多い。4バックなら出られるのは6人のうち2人だけだ。岡野がどれだけ成長しているか、ミンギュや本村が即戦力レベルなのかによっては、ある程度計算できたエベルトが抜けたことによって、数は増えたが戦力は落ちたということになる可能性もある。
一方で増嶋、新井、鳥海といったところはずっと一緒にやっているし、ユン監督の元で守備がしっかり組織されれば大崩れすることもないだろう。ベテランから若手まで凌ぎを削ってポジション争いをし、誰が出ても安定したDFラインを構築して欲しい。
RSB
右SBは松本山雅に期限付き移籍していた溝渕を栃木に期限付き移籍で再度放出、G大阪から期限付き移籍で加入していた米倉を完全移籍で獲得、そしてゲリアが更新と大きな入れ替えはない。両SBが出来る安田もいる。
米倉を完全移籍で獲得出来たのは大きい。攻撃面での大きな武器だしキャンプから参加できる2020シーズンはもっとやってくれるはずだ。一方のゲリアにはもっとやってもらわないと困る。助っ人外国人なのだ。ベンチに座っている場合ではない。アスリートレベルは高いのだから攻撃時においても強気のメンタルで勝負して欲しい。
LSB
左SBは乾を水戸に期限付き移籍で放出、富山に期限付き移籍していた弾斗を讃岐に期限付き移籍で再度放出、補強はない。乾が抜けた分、ここは戦力ダウンだろう。もちろん下平は安定しているのでシーズン通して出場してくれればいいが、下平も安田も30オーバーなので、乾や弾斗のような若手がいないのは残念だ。
DMF
守備的MFは勇人が引退、松本山雅に期限付き移籍していた真希を完全移籍で放出、磐田から田口を完全移籍で獲得、田坂、熊谷、小島が更新。勇人の代わりに田口なので戦力アップといって間違いない。田口の能力に疑いの余地はない。田坂が怪我から復帰したのも大きい。ここも激戦区だ。誰がピッチに立つのか読めない。
鳥海や壱晟もここに絡んで来る可能性もある。個人的に鳥海はCBで、壱晟はOMFで見たいけどね。2列目に3列目が出来る選手もいるし、3列目に2列目が出来る選手もいるので、ユン監督がどの選手にどのポジションで、どんな役割を与えるのか楽しみだ。
OMF
攻撃的MFは広島からの期限付き移籍で加入していた茶島が満了で返却、山形に期限付き移籍していた壱晟が復帰、特別指定だった見木が関東学院大学から加入、堀米、為田、矢田、浩平、本田が更新。
茶島がいなくなったことで戦力ダウンのようにも見えるが、FW登録の船山、山下、アランも2列目が出来るし戦力は揃っている。ここも激戦区だね。個人的は壱晟や見木といった若手に暴れて欲しい。そして触発された為田に爆発して欲しい。数字を残せ為ちゃん。そして堀米がユン監督の指導によって90分闘えるファイターになることもかすかに期待したい。
FW
FWは三重に期限付き移籍していた大悟が期限付き移籍を延長、愛媛に期限付き移籍していた眞紀人を完全移籍で放出、エストリルからの期限付き移籍だったクレーベを完全移籍で獲得、山口から山下を完全移籍で獲得、ソロモンがU-18から昇格、そしてキャンプ中に磐田から川又を完全移籍で獲得。船山、アラン、寿人が更新。
ここは大幅な戦力アップだ。なんと言っても絶対神クレーベを獲得出来たのは大きい。2019シーズンは1年目にもかかわらず大活躍だった。2020シーズンはさらに期待出来る。そして2019シーズンに山口で11得点を決めた山下も即戦力。ポジションがどこになるかはわからないが、若くフィジカルもある楽しみな選手だ。
そしてクレーベ不在時の戦力の大幅な低下が懸念されたが、川又を獲得したことでこれも解消された。ソロモンにとってはクレーベという高い壁に加え川又というタフな壁も加わったわけだが、そこはプロの世界。自分の方がやれるという強い気持ちでガツガツポジションを奪いに行って欲しい。
忘れちゃいけない成田の漢。船山はクレーベ頼みのチームにあって2年連続二桁ゴールとしっかり数字を残している頼もしい戦力。船山が3年連続二桁ゴールをすることでチームの順位も上がるだろう。
アランは2019シーズンはがっかりさせられっぱなしだった。寿人も含め求められているのはゴールだ。2019シーズンの悔しさを2020シーズンにぶつけてくれ。
監督
2020シーズンの最大の補強はここかもしれない。経験、実績のないエスナイデル体制でチームは低迷し、急場しのぎのような江尻体制でもチームは改善しなかった。ユン監督の経験、実績は申し分ない。ハードワーク、闘う姿勢を求めるスタイルも千葉が求めるものだ。
しかし過度な期待は禁物だ。ユン監督は魔法使いではない。J2で17位に沈む弱いチームを就任直後に優勝させる魔法は持っていないだろう。まずは攻守共にしっかり組織され、ベテランと若手が融合し、90分闘える気持ちの見えるチームを作って欲しい。
ユン監督の言う通り、プレーオフ進出を目標とするのが現実的だろう。今やプレーオフ進出もむずかしい目標になってしまっているが。それでもこの選手達、監督を見れば、今年こそやってくれるはずという思いも湧いてくる。
ふがいない2019シーズンが終わり、新たな2020シーズンを迎えた。気が付けばリーグ開幕戦までもう一ヶ月を切っている。オフシーズンはやはり物足りない。リーグ開幕が待ち遠しいぞ。