江尻篤彦監督退任のお知らせ
江尻監督の2019シーズンを持っての退任が発表された。
昨日第40節にしてようやくJ2残留を確定させた千葉。そして今日江尻監督の今シーズンを持っての退任が発表された。今のところ江尻監督のコメントはなし。退任に関しては驚きはない。いつ発表するかというタイミングの問題だけだった。
まずは厳しい状況の中で監督を引き受けてくれたことに感謝したい。あの状況下では江尻さんに頼むしかなかったし、江尻さんも厳しい状況だからこそ自分が、という思いもあっただろう。開幕から4試合で失点9、勝ちなしの21位というどん底のチームを丸投げされ、火中の栗を拾わせることになってしまったのは気の毒だった。今シーズンのチームは江尻監督のために用意されたチームではないのだ。江尻監督の求めたチームではないのだ。
その一方で、監督に就任してからは十分な期間があった。前節まで36試合という長きに渡って指揮を執ったが、既存の環境で結果を出すことは出来なかった。チームを改善、向上させるには至らなかった。エスナイデル前監督のような大味なサッカーではなくなったが、守備に比重を置くと点が取れなくなり、攻撃に比重を置くと失点が増えるなどバランスに苦しんだし、メンバーもなかなか固まらなかった。
チームをJ2に残留させるという最低限の目的は果たしたが、現時点でも来シーズンに向け期待が持てるというチーム状態にはなっていない。もちろん江尻監督の求める選手で来シーズンを仕切り直すという選択肢もあるだろうが、ここまでの指揮を見るかぎり期待は持てないというのが正直な所だ。
江尻さんは指導者としては優秀だと思う。しかし監督という仕事は指導者としてはもちろんのこと、勝負師としての資質が求められる仕事だ。江尻監督の指揮やコメントを見ていると、勝負師としての凄みを感じることはなかった。良くも悪くも人のいい優等生という感じがする。
江尻監督の新たな役職については決定次第知らせるとのことなので、クラブに残ることは決まっているのだろう。江尻さんのジェフ愛の強さはみんな知っている。経験的にもクラブにとっては貴重な人材だ。しかし江尻さんを置いておいて、困った時は監督として引っ張り出すというのでは困る。
このタイミングで退任の発表をしたということは、後任の監督についてもある程度目処は立っていると見ていいのだろうか。エスナイデル監督を招聘し結果を出せず、結果が出ていないのに続投を決め、シーズン序盤で解任し江尻監督に丸投げしても上手くいかなかった。この決定をした高橋GMの責任は大きい。
もう失敗は出来ない。なるべく早く、しかし慎重に新監督を決定し、新監督の求める選手を集め、来シーズンへ向けての準備を進めてほしい。