千葉 2-3 山口
山口はここ4試合を2勝2分と負けなしで来ており、順位は千葉より少し上の14位。あと1勝すればJ2残留が確定、というか状況的にはすでに安全圏にいると言っていい。モチベーション的にむずかしいところもあるだろうが、ホームでしっかり勝点3を取って少しでも早く自力残留を決め来季への準備をしたいだろう。
一方前節で柏にボコられた千葉は勝点39の17位。まだまだ安心は出来ないが、さすがに降格はないでしょという温い空気になるのが一番怖い。千葉も山口同様に少しでも早く自力残留を決め来季への準備をしたいところだ。第3節フクアリでの山口戦は千葉が序盤に退場者を出し5失点と大敗したのでその借りも返したい。
前節試合後の江尻監督の「やれる選手、やれない選手がはっきりしてきたな、と思います」との今さらコメントから今節はスタメンをかなりいじるだろうな思いきや、前節とまったく変わらず。やれない選手も我慢して使って成長させるということなのか、他に選手がいないから使わざるをえないのか。
ということで千葉のスタメンはGKに優也。4バックは右から米倉、新井、エベルト、下平。中盤はボランチに熊谷と鳥海。右にアラン、左に為田、中に浩平。ワントップにクレーベ。江尻監督はアランをあきらめない。前節で悔しい思いをした鳥海の奮起にも期待したい。
試合は開始わずか7分、山口の左サイドからカットインした高井がおそらくクロスを入れたのだろうが、飛び込んできた三幸、防ごうとした優也、2人とも触れずボールはそのままゴールに吸い込まれた。これは優也を責めるのは酷。クロス自体を入れさせたくなかった。
先行き不安な立ち上がりだったが11分、米倉の縦パスで右サイドを抜け出したアランがダイレクトでクロス。待ってましたのクレーベが高い打点から叩き込むお得意の形で同点。アランのクロスが素晴らしかった。188cmのクレーベのマークに付く前は172cmなのでここは競り勝てる。
37分には打たれたミドルがエベルトに当たりコースの変わるむずかしいボールになったが優也がナイスセーブ。この両クラブの対戦はよく点が動く、ある意味ルーズな展開になりがちだが、やはり両クラブ共に攻守にややルーズな感じのする前半だった。
逃げ切り策失敗
58分、下平のFKをエベルトが折り返しアランがオーバーヘッドで狙うも当たらず。今日のアランは伸び伸びやれてたね。65分、米倉のファーへのアーリークロスをクレーベが折り返し、左足で蹴り込んだのはアラン。アランは1ゴール1アシスト。やっと、やっーっと仕事した。
69分、クレーベOUT、寿人IN。全国3億人のジェフサポの「え!?クレーベ代えるの!?」という声が聞こえた。先制点はもちろん、アランへの折返しもクレーベが競り勝った所からだし、今日はクレーベにシンプルにクロスを入れれば全部競り勝てるぞ、という感じだったので驚いた。
こうなるとなんとしても守り切らないといけないが80分、ダイレクトの連続でエリアに入られ山下にキレイに蹴り込まれ同点を許す。84分、鳥海OUT、矢田IN。86分、浩平OUT、増嶋IN。3バックに。クレーベを失い攻め手のない千葉。せめてドローで終えてくれという88分、山口のCKを宮代がヘディングシュート。これを田中パウロがコースを変えゴールに吸い込まれた。
クレーベの交代。これが大きく影響したのは間違いない。唯一の武器を失った千葉に攻め手はなかった。寿人が悪いとは思わない。個人的に寿人はまだやれると思っている。ただ今の千葉には寿人を活かす攻撃の形、パスがないのだ。寿人はボールを受けて何かをする選手ではなく、最後の仕上げのフィニッシャーだ。そこまで行かなければ仕事は出来ない。
監督・選手コメント
―― 選手交代の意図について。
先ほども(フラッシュインタビューで)クレーベと佐藤寿人の交代の意図について聞かれたのですが、ベンチでコーチたちとも話しながら、少し前への圧力、守備の圧力をかけたいということもあって代えたというのが意図の1つです。それ以外にもあるのですが、守備のところを整備することが狙いの1つでした。
江尻監督のコメント。そこからの2失点でひっくり返されてるからね。攻守において失敗だった。
絶対に勝たなきゃいけない試合だし、メンタルが弱いチームの負け方をしてしまったと思います。相手に対するスカウティングのとおり、トレーニングどおりのシンプルな形でゴールを奪えたことは良かったと思いますが、勝っている時の試合の運び方だとか……。今は勝点1でも必要な状態の中で逆転を許すというのは、シンプルに言って「あり得ない試合」だと思います。
米倉のコメント。問題山積みでどうしたもんか。早く残留を決めて来季への夢を見たい。