千葉 0-3 甲府
甲府は勝点43で7位と好位置に着けている。プレーオフ圏の6位とは勝点差が4あるのでプレーオフ進出のためには負けられない戦いが続く。モチベーションも高く維持しているはずだ。千葉は3連敗中と勝ちに見放され、負け方も終わってみれば完敗という試合が多い。ホームフクアリで勝利はもちろんのこと、課題の修正を感じられる試合を期待したい。
スタメンはGKに鈴木。4バックは右から米倉、鳥海、エベルト、下平。中盤はボランチに小島と熊谷。右に堀米が復帰し、左には茶島が入った。2トップはクレーべと船山。ベンチには前節流れを変えた見木、安田、アランといったメンツが控える。甲府で怖いのはピーター・ウタカだろう。
試合はオープンとは言えないながらも両チームともチャンスを作る一進一退の攻防。千葉はフィニッシュのひとつ手前までは行けるが決定機がなかなか作れない。甲府はウタカの強さを活かしフィニッシュまで持ってくる。わかっていても止められないやっかいな選手だ。
32分にエベルトが足を痛めるアクシデント。エベルトOUT、増嶋IN。病み上がりの増嶋のコンディションが心配だ。後半に堀米を代えることも考えるとアクシデントで交代を1枚使うのは痛い。34分、右サイドからの堀米のクロスにクレーベが打点の高いヘッドで合わせるも距離があり力のあるシュートにはならなかった。
36分、左サイドを深くえぐられた所からクロスを入れられファーまで流れたボールの折り返しがウタカの元へ。完全にやられたシーンだったがウタカのシュートはバーをかすめ枠外へ。37分、クレーベが競り勝ったボールを堀米が収め、溜めを作ってラインの裏へ絶妙なループパス。しかし抜け出した茶島がGKとの1対1を決めきれず。
前半は決して悪くはなかった。しかし千葉は後半ガクッと落ちることがもうバレている。甲府にしてみれば前半は0-0でオーケー。後半勝負で勝てると思っていたはずだ。千葉としては茶島の決定機をしっかり決め切ってリードして折り返したかった。
終わってみればいつもの繰り返し
後半に入り試合はオープンに。60分、甲府のCKのこぼれからウタカにシュートを打たれるが、カバーに入っていた茶島がなんとかクリア。しかしそのクリアを拾われ再びエリア内に入ってきたルーズボールをエデル・リマに蹴り込まれた。セットプレイ崩れからの痛恨の失点。
63分、堀米のFKがファーサイドの米倉に合うビッグチャンスだったが枠に飛ばず。GKが目の前にいるむずかしいシュートだったけど決めたいシーンだった。64分、熊谷OUT、見木IN。熊谷はプレイに迷いがあるというか、思い切りに欠けるプレイが目立つ。お前がこのチームのエンジンにならなきゃダメだろ。
74分、攻め上がった所からカウンターを食らう。相手2枚に対しDFは4枚と人数は揃っていたが、ズルズル下がる間に射程距離に入られウタカが右足を一閃。ミドルを決められてしまう。全員でズルズル下がるのはマズイ。こうなるともう千葉に跳ね返す力はない。耐える力もない。75分、堀米OUT、浩平IN。81分、長距離のFKを直接狙われ、内田に当たり角度が変わったボールがゴールに吸い込まれた。
前半を0-0で折り返したものの、後半だけで3失点。またもや終わってみれば完敗としかいいようのない試合になってしまった。しかもホームでだ。泥沼の4連敗。ギリギリ残留ラインの上にいる20位の町田とは勝点差が3しかなく、降格圏にいる21位の栃木とは6しかない。栃木は苦しんではいるが、ここ4試合は4引き分けで勝点を拾っている。千葉より下位にいる鹿児島や町田は消化試合が一試合少ないことも頭に入れなければいけない。
すでに残留争いに巻き込まれていると言っていいだろう。もはや「自分達のサッカー」とか「来季に繋がるサッカー」とか言っていられる状況ではなくなっている。もう残り試合は残留のために割り切ったサッカーをする方がいいのではないか。まず残留を確定させてから次のことを考えよう。負けない試合運びで泥臭く勝点を拾っていこう。
次節は千葉より下位にいる町田とのアウェイ戦。負けは許されない。泥臭く、死にものぐるいで勝点をもぎ取って来て欲しい。
監督・選手コメント
―― 後半に失点してガクッと落ちてしまう部分についての改善策は?
やれること、やらなければいけないことができていないこと、そういう簡単な部分は明確になっているので、やはり当たり前のことをしっかりやるということがひとつの大きなテーマかなと。相手によって、怖いからといってネガティブに下がってしまう状況なので、もっともっとポジティブに戦う部分を出していかないと、ああいう失点が増えてしまうと思います。
監督のコメントからは改善されそうな気配を感じないなぁ。