福岡 0-1 千葉
開幕から0勝3分2敗と5試合勝ちがなく最下位に沈む千葉、一方の福岡も1勝1分3敗と波に乗れず下位に沈んでいる。上位浮上のためにも勝点3で弾みを付けたい両チームの対戦。
千葉はただでさえ怪我人が多いが、前節で負傷した小島、クレーベ、そして船山までが離脱と野戦病院状態。その上今日のスタメンに名を連ねていた勇人がウォーミングアップで負傷し急遽交代。開幕前は中盤多すぎだろ思ったけど層が厚くて良かったね。
スタメンはGKに優也、3バックは右から新井、増嶋、エベルト。WBは右に怪我から復帰したゲリア、左に下平。中盤の底に急遽出場の田坂と矢田。2列目に堀米と浩平を置き、ワントップにアラン。ベンチには怪我から茶島が戻って来た。福岡はスタメンに松田力、ベンチには森本貴幸と元千葉の選手が在籍。
福岡は井原体制の守備から入る堅いサッカーという印象があったが、今シーズンは新たな監督を迎え前からプレスをかけ、ボールを保持し、攻撃的なスタイルに大きく印象を変えていて驚いた。
序盤は福岡の方がボールを保持するも、効率的な攻撃は千葉の方が出来ていた。21分、エベルトからのロングフィードをアランが収め、追い越した浩平がフィニッシュするもGKに弾かれる。
前半は福岡の方が支配率で上回ったがシュート数は千葉のほうが多く、福岡はやりたいことがフィニッシュに繋がらなかった。千葉は守備面でもピンチもほぼなく、今まで千葉がやられていたことを逆にやっているような前半だった。
6試合目での初勝利
後半の立ち上がり、ヤン・ドンヒョンにシュートを打たれるも枠を外れる。64分、浩平OUT、茶島IN。そして入った直後の茶島が右サイドを縦に突破しクロス。中のアランに合うもののアランがミート出来ず。これは決めてほしいシーン。
そして69分、堀米OUT、寿人IN。ついに寿人がピッチに立った。70分、いい位置での矢田のFKは枠外へ。80分、同じような位置で矢田がファールをもらいFK。今度はきっちり頼むぞ矢田、と思いきや蹴ったのは茶島。完璧な放物線にGKは一歩も動けずゴールに吸い込まれた。
91分に矢田OUT、鳥海INで試合をクローズ。寿人はゴールチャンスこそなかったものの状況に適したベテランらしいプレイを選択し勝利に貢献。出し手との呼吸が合ってくれば自然とゴールも生まれるようになるだろう。
待望の勝点3。勝利こそがチームに大きな自信と勢いを付ける。スタッツを見ても福岡のシュート5本に対して千葉は15本と大きく上回った。最終的には支配率も上回り、ピンチらしいピンチもなかったし完勝と言っていいだろう。
攻撃面において流れの中で決定機を作るという部分においてはまだまだやるべきことは多いけど、安定したサッカーで90分破綻することなくやれるようになったのは大きい。このサッカーならどこを相手にしても大崩れすることはないはず。ハイラインではスピードに不安のあるDFの面々もこの守り方なら安心して見ていられる。
主力を怪我で多く欠く中で、不在を感じさせないサッカーが出来たのも好材料。田坂のような経験豊富なユーティリティプレーヤーの存在は頼もしいし、離脱組もポジション争いに危機感を感じたのではないか。負傷が多くメンバーが入れ替わってもこれだけやれるのが千葉の力だよ。
監督・選手コメント
FKを取った瞬間に(佐藤)優也さんに呼ばれて「(相手の)GKが寄っているから、ニアを巻いたら入るぞ」と言われたので、そのとおりに蹴りました。
茶島のコメント。優也GJ!
今日はこれまでよりゲームを支配する時間が長かったと思いますし、相手にはシュートは2本しか打たれていません。そういう意味でも、ゲームを支配することがいかに大事かを感じられたゲームだったと思います。
田坂のコメント。そう、ボール支配率が高ければ試合を支配したというわけではない。試合をコントロールすることが試合を支配するということだ。それがしっかり出来たのは大きい。
今回は調子の上がらない福岡が相手だったが、次節はいよいよ琉球戦。J3から上がってきたばかりで開幕から4勝2分負けなしで堂々の首位に位置している。特筆すべきはここまで得点14という攻撃力。守備を整備した千葉がどこまでやれるか試される。そろそろ琉球にJ2の怖さを教えちゃおう。