柏 2-2 千葉(PK5-6)
サッカーシーズン到来ということで毎年恒例ちばぎんカップ。両クラブ共にキャンプの疲れのある中、戦術の浸透度や新戦力の適応度などを含め、開幕に向けた現時点でのチームの完成度を見る目安にもなる。
昨シーズン柏がJ1から降格したため今シーズンはJ2での同カテゴリー。より負けられない相手になったしリーグで顔を合わせる意味でもしっかり叩いて自信を付けてシーズンに入りたい。
注目のスタメンはGKに優也。4バックは右からゲリア、増嶋、エベルト、下平。中盤の底に熊谷と矢田を並べ、2列目に右から堀米、船山、茶島。ワントップにアラン。期待のクレーベはベンチスタート。
DFラインは相変わらず高いものの、無謀なハイラインではなくしっかりバランスを取っている印象。入りは悪くなかったが19分、深く攻め入った所でボールを奪われカウンターを食らう。4対3の数的不利を作られ、多少強引に打った瀬川のシュートが増嶋に当たり角度が変わってゴールに吸い込まれた。増嶋の対応よりボールの失い方が悪かった。
直後の19分、堀米のCKをエベルトが頭で合わせ同点。堀米のCKはゴールの匂いがするいいボールだね。スピードやキレ、コースも素晴らしい。新加入にもかかわらずすでにフィットしているし、ボールを持ってタメを作れるし、一枚剥がす個の能力もあるし開幕スタメンは確定かな。
熊谷と矢田のコンビも安定感があるし固定でいいのではないか。そして今シーズン期待しているゲリア。攻撃に絡むシーンはまだ少ないものの、フィジカルやスピードはやっぱり魅力的だし試合に出続けることでもっと良くなるだろう。
両チーム共に潰しが速くなかなかゴール前での決定機を作れない前半だった。千葉はボールを持って自分たちで攻撃的に試合をコントロールするというスタイルは変わらずだけど、ラインの位置など守備の修正という今シーズンの意図は感じられた。
勝ち切れない逃げ切れない
55分、堀米のCKをアランが頭で合わせ追加点。堀米はCKで2アシスト。今シーズンの大きな武器になりそう。アランも厳しい状況でもフィジカルでなんとかできちゃう頼もしいタイプだわ。
68分、アランOUT、クレーベIN。アランはJリーグに慣れているということで何の問題もなくやれていた。まだコンディション的にもう一つ上がりそうだし期待できる。ただ今日はクレーベとの交代だけど、共存させる場合はポジションはどうするんだろう。1列下げるのか並べるのか。
そしてクレーベはポストの上手さやフィジカルの強さは見せてくれてものの、連携的にもコンディション的にもまだまだという感じ。まぁこれは想定内だし開幕からしばらくは我慢が続くだろう。しばらくは今日のように途中投入でもいい。
75分、熊谷OUT、小島IN。80分、船山OUT、新井INで3バックに。さらに86分、矢田OUT、勇人INで試合をクローズさせに行く。しかしクローズできないのが千葉の守備。直後の87分にクロスのこぼれをクリスティアーノに蹴り込まれ同点。あれはクロスが入る前の下平の対応が軽すぎた。
ATには裏に出されたボールに優也が飛び出しオルンガと交錯。前半にもあったけど一歩間違えばという優也の飛び出しは昨シーズンと変わらず。あそこで出るのが優也だし戦術的にもそれを求められてるけど、出るか出ないかの局面では出るのが優也なんだろう。負傷退場のオルンガが軽症であることを祈る。
2-2で試合を終え決着はPKへ。6人全員決めた千葉に対し柏の6人目のキックを優也が防ぎ勝利。3年ぶりのちばぎんカップを獲得した。MVPは優也だったけど個人的には堀米だな。
PKで勝ったものの、今日の展開でいけば90分で終わらせなければいけない試合だった。リーグ戦だったら勝点1だ。2失点しているし、1失点で勝ち切れるチームにならなければ。
監督・選手コメント
守備や組織という部分で手応えはあったけどミスからのカウンターに気を付けないといけないという共通の認識だね。その通りだと思う。ボールの取られ方が悪いとカウンターで危険な形になってしまう。
開幕まで一週間。スタートダッシュできるように、より戦術、連携を深め万全のコンディションでシーズンに臨んで欲しい。