佐藤寿人選手の加入について
佐藤寿人の名古屋グランパスからの完全移籍での加入が発表された。
この度、18年振りにジェフユナイテッド市原・千葉へ復帰する事となりました。アカデミーとプロ生活と合わせて8年間、ジェフのエンブレムを身に纏って戦ってきましたが、その後のキャリアで積み上げてきたものは、素晴らしい指導者に恵まれたジェフのアカデミーとプロでの時間で培われたのだと思います。復帰にはなりますが、J1昇格という明確な目標を達成するべく自分自身チャレンジしていきたいと思います。またクラブを長年引っ張っている兄の勇人の存在は、自分にとっても特別です。勇人と一緒にJ1の舞台へ。自分自身、ジェフと離れている時間が長い分、まずは皆さんに認めてもらえる結果を出していけるよう、覚悟を決めて戦いたいと思います。
寿人がジェフに帰ってきた。この動画は感慨深いものがある。
言うまでもなく、佐藤勇人の双子の弟であり、ジェフユース出身の選手だ。市原時代、ユースで点を取りまくり、アンダーカテゴリーの日本代表でも活躍する寿人を見て、ジェフにインザーギが現れた、これでジェフのFWは10年安泰だわ、と楽しみでしょうがなかった。
2000年に勇人と共にトップチームに昇格するものの、当時のFWはバロンを軸に様々な選手がパートナーを務める形で、寿人は林丈統とスーパーサブの座を争うという状況だった。どちらかというとクラブはスピードのある林を重宝していた。
翌2001年には開幕スタメンを勝ち取るものの、すぐにチェ・ヨンスと大柴という相性最高の2トップが完成したため出場機会を失うようになる。そして2002年には出場機会を求めてセレッソ大阪へ移籍。
寿人が移籍した時のショックは相当大きかった。その後の仙台、そして広島での寿人の活躍ぶりは説明するまでもない。J1で11年連続二桁ゴール、2012年には得点王にリーグMVP、J1の通算ゴール数は大久保に次ぐ2位というJリーグの歴史に名を残す偉大なFWになった。
でも寿人が活躍するニュースを目にする度、誇らしい思いと寂しい思いが共存するような感情になった。さすが寿人、と思う半面、よそのクラブの選手なのだ。
寿人の復帰に関しては賛否両論あるだろう。寿人も36才。ピークはとっくに過ぎている。今シーズンは9試合の出場で時間にすると127分、得点は0。それでも元々スピードやフィジカルで勝負するタイプではなく、抜群のポジショニング、DFとの駆け引き、シュートの精度という部分で勝負するタイプなので、まだやれるという期待もある。神戸に加入するビジャは37才だけど点取りまくってるぞ。
そもそも千葉はJ2の下位クラブ。J2の下位クラブが獲得する選手としては贅沢なレベルだ。もちろんラリベイの代わりが寿人というのでは困るけど、さすがにそれはないだろう。FWの駒に新たなタイプが加わるという意味では悪くない。勇人と寿人が揃うというのは話題性も大きい。
千葉は帰巣本能が強いクラブだ。これまでも出ていった選手達が次々と千葉へ帰ってきた。その度に言っているのは、批判は当然あるだろう、その批判をかき消すにはピッチで結果を出すしかないということ。
寿人は典型的なワンタッチゴーラー。ボールを持って自分でこじ開けるタイプではなく、フィニッシャーだ。寿人に点を取らせるなら精度の高いパスを供給する周りのサポートが必要になる。出し手と受け手の意思疎通をなるべく早く構築してほしい。
一番いい時期をよそのクラブで過ごし、36才で戻ってきた寿人には厳しい目も向けられるはずだ。ましてやジェフ時代の寿人を知らないサポーターは寿人になんの思い入れもないだろうしね。それでも結果を出せば称賛される。いまだに偉大なFWであることを2019シーズンのピッチで証明してほしい。
18年ぶりに黄色いユニフォームに袖を通す寿人を見るのを楽しみにしている。