千葉 2-0 徳島
徳島も千葉同様プレーオフの可能性がなく降格もないという消化試合。昨季は千葉が7連勝でプレーオフに滑り込み、徳島は7位でプレーオフを逃すという最後までわからない状況を繰り広げただけに両クラブ共に不本意なシーズンになってしまった。徳島は5連敗中でその間の得点も1と泥沼。ホームでしっかり叩きたい。
千葉はスタメンを変更。GKにひさしぶりの優也。4バックは右からゲリア、鳥海、増嶋、下平。アンカーに熊谷を置き、インサイドハーフに小島と矢田。右に茶島、左に也真人。ワントップに船山という布陣。チョルファンが外れたり下平が戻ってきたり近藤やラリベイや乾がベンチ外だったり、怪我やコンディションによる変更なのか、来季を見据えているのかなどいまいちよくわからない。
両チーム共に目指すもののない消化試合だけにもっとゆるい、ぬるい試合になるかと思いきや、立ち上がりから両チーム共に失うものがないゆえのアグレッシブな展開になった。特に千葉は熊谷、増嶋、鳥海、ゲリアなどがガツガツ相手に当たりに行き、前半30分までに4バックのうち3枚がイエローを貰うという激しさ。
カードを貰うのは良いことではないけど、少なくとも今日の試合は勝利に向けた気迫やプライドが見えた。そして前半10分、船山のCKを増嶋が頭で押し込み先制。戻りながらのニアでのむずかしいヘッドだったけど見事に合わせた。
32分には裏へ出たロングボールに優也が飛び出しヘディングでクリアするも相手に渡り、打たれたシュートを優也が戻りながらヘディングでクリアするという優也劇場。これが佐藤優也だぞ。
ボールを保持したい両チーム、前半は徳島が59%と支配率で上回ったものの、内容的には決定的なピンチもあまりなく千葉がやりたいことが出来ていた。45分に足を痛めた鳥海がOUT、エベルトIN。
コンプリートな試合
50分、也真人が高い位置でボールを奪い船山との連携でフィニッシュまで行くも船山のシュートは防がれる。個人的に也真人はサイドより中のほうが活きると思うけど、今日もいつもどおり攻撃だけではなく守備でもかなり効いていた。
56分、也真人と矢田で左サイドを崩し、也真人のドンピシャクロスを船山が頭で合わせるもGK正面。船山はシュートも多く決定機も多かっただけに1点欲しかったね。豊富な運動量や献身的なプレイにチャンスメイク、それでも船山にはゴールを常に求めたい。
70分、裏へ出たロングボールに優也が飛び出すも増嶋とかぶり触れず、こぼれをピーター・ウタカに無人のゴールへシュートを打たれるも、トップスピードで戻ってきたゲリアが素晴らしいクリアで救った。
優也はいい意味でも悪い意味でも優也だった。ピンチで躊躇なく飛び出す積極性で救うこともあれば、危うい判断で決定的なピンチを招くこともある。それでも行くか行かないかという局面になった時に、行くのが優也だよ。
81分、矢田OUT、浩平IN。そして86分、船山が左サイドで溜め、大外を回ってきた也真人にパス。也真人のクロスをニアで増嶋がすらし、飛び込んで合わせたのは小島。欲しかった追加点を蹴り込んだ。
増嶋は1ゴール1アシスト。これにはスタンドで見守った近藤も、
センターバックで1ゴール1アシストは嫉妬するわ!
ひたむきに練習をし常に準備し続けることは簡単なようで簡単なことではない。
その大切さをプレイでみんなに示してくれた。
さすがマス!— 近藤直也 (@do3_naoya) November 4, 2018
と称賛。出番がない時にも準備を怠らずやるべきことを積み重ね、いざ出番が回ってきたらしっかりと結果を残す。これぞプロでありベテランの経験。試合終了の笛と同時にピッチに突っ伏しガッツポーズ。普段から気持ちの見える増嶋だけど、今日は一段と目に見えた。
支配率はトータルでも徳島が59%と上回った。しかし千葉はシュート17本、枠内も12本と決定機を多く作るいい内容だった。両チーム共にオープンでアグレッシブだったこともあり見ごたえのある好ゲームになった。
監督・選手コメント
コンプリートな試合だったと思います。いい試合でした。他の試合と比較しても、今日が一番“チーム”というものを見せられた試合だったと思います。
エスナイデル監督のコメント。相手が不調ということを差し引いても、今日のような試合をすれば順位に関係なく単純に試合を楽しめる。今日来た人はみんな満足して帰っただろうし、最終節のホームにも期待を持って足を運ぶんじゃないかな。
そのためにも次のアウェイ京都戦。流れを切らずに勝利して最終節のホーム栃木戦に繋げたい。残りは2試合、共に千葉より下位チームなのでしっかり3連勝してシーズンを終えよう。