水戸 1-0 千葉
水戸の監督は言わずと知れた長谷部茂利。昨季エスナイデル監督の下でコーチとして仕事をした、千葉のサッカーを知り尽くしている監督だ。第2節で対戦した時は0-0のスコアレスドロー。ここまで28試合で千葉が点を取れなかった試合はこの試合を含め2試合しかない。千葉に対して明確に狙いを持ってくる水戸をどう攻略するかが鍵になる。エスナイデル監督も自分の下でコーチをしていた監督が率いるクラブに負けたくないだろう。
スタメンは前節から2人入れ替えGK優也、4バックは右から溝渕、鳥海、近藤、下平。アンカーに熊谷。インサイドハーフに茶島と矢田。前線に右から船山、指宿、為田。前節で途中出場からいい仕事をした矢田と指宿がスタメンに名を連ねた。そしてベンチには待望の也真人の姿が。頼れる10番おかえり。
試合は両チームとも前からプレスをかけ奪ったら裏を狙う展開。水戸の攻撃には千葉のハイラインの裏という明確な狙いを感じた(いつものことだけど)。千葉もサイドから指宿にボールを集めるも、もう一歩の所でこじ開けられず。指宿は前節から好調を維持しているようでコンディションは良さそうだった。動きのある前半だったが0-0で折り返す。
58分、CKからの指宿の惜しいヘディングも枠をそれる。70分に茶島OUT、也真人IN。也真人は5月12日の第14節、新潟戦で怪我をして以来3ヶ月ぶりのピッチ。79分に矢田OUT、浩平IN。オープンな展開で両チーム共チャンスを作るがフィニッシュの精度を欠き0-0で進む。
最後の交代はラリベイ投入かと思いきや、84分、下平OUT、乾IN。この展開で左SBを代えるのは何かアクシデントだろうか。87分にはこぼれから也真人がチャンスを迎えるがミートできず。両チーム共に1点が欲しい90分、こじ開けたのは水戸だった。水戸のロングスローを溝渕がクリア。これがフリーの伊藤に渡り、エリアの外から右足一閃。土壇場での痛すぎる失点により力尽きた。
してやったりしてやられたり
試合後のインタビュー。開口一番「狙い通りです」と満足気に語る長谷部監督。今季、水戸は千葉との対戦で1勝1分の負けなし。しかも得点力のある千葉を2試合共に無失点で抑えた。今季の千葉が無得点だった3試合のうち2試合が水戸戦になる。長谷部監督にしてみればしてやったりだろう。
してやられたエスナイデル監督は、
全体的に悪い試合ではなく、負ける試合でもなかったと思います。今シーズン何度も起きている現象のひとつとして、またしても不注意から失点してしまいました。
とコメント。確かに酷い試合ではなかったしチャンスもあった。しかしこの試合に限らず、わかりやすい千葉のサッカー、2年目のエスナイデルサッカーは他クラブから対策を取られている。それに対して千葉側に引き出しが少なすぎる。相手がこう来たらこの引き出しからこれを出す。というような策がほしい。エスナイデル監督の引き出しはいくつあるだろう。お気に入りの引き出しだけで勝てるほど甘くはない。
千葉として良かったのは也真人の復帰。低迷の責任が監督にあるのは当然だけど、攻撃面ではもちろんのこと、プレスなどの守備面においても也真人は重要な選手。コンディション的にまだまだだろうけどチームをいい方向に導いてほしい。